「週刊テツタビ百科」第43号

小坂真智子

2010年02月13日 19:45

スナフキン藤田です。
いつも「すまいるトレイン777」にご乗車ありがとうございます。
今日は本番前に歌人28号さんが届けて下さった、伊豆箱根鉄道の「赤電」の
写真を堪能しました。1000系とクモハ165、懐かしかったです。ありがとうございました。

さて、今回は「青函トンネル」の第2弾です。

第43号 (2010.02.13 ON AIR)
~北海道を列車で結ぶ! 青函トンネル物語PART2~

●本トンネルの他にも4本のトンネルが存在
 ①斜坑:地質調査を行うための関係者と資材・機械の運搬に使用。工事中は
   ズリの運搬や排水に、現在は換気や保守作業の出入り口となっています。
 ②先進導坑:最も先行して掘られ、海底の地質や出水を調査するトンネル。
 ③立坑:エレベーターを使い、作業員や機械を運搬しました。
 ④作業坑:本トンネルの横30mに平行して掘られています。600m毎に連絡通路が
   設けられ、先回りして切羽を仕掛けて工事の速度を早めたり資材の運搬に
   使用されました。現在は、保守のための通路としてトラックなどが通っています。

●安全対策①:避難や点検のための通路が駅に(竜飛海底駅・吉岡海底駅)
 火災や列車事故に対応するため、本州・北海道側に消防設備や脱出路を設けた2ヶ所の
 避難場所を設置しました。この駅は見学のための列車のみ乗降が可能で、広い通路を使
 っての海底探検ツアーも実施されています(吉岡海底駅は休止中)。

●安全対策②:世界トップクラスの煙・熱感知器
 広大なトンネルに多数性位置されており、タバコの煙を感知しただけでも列車の運行が
 止まります。通過出来る車両は電車または電気機関車牽引の客車・コンテナに限られ、
 エンジンを使用するディーゼルカーやディーゼル機関車は走行出来ません
 (救援用を除く)。⇒トンネル内には通信用の光ファイバーケーブルも敷設されています。

 2月4日午前1時25分頃、下り「北斗星」が電気機関車の不具合によりトンネル内に
 足止めされる事故が発生。乗客97名にケガはなく、代替の機関車によって2時間後に
 復旧しました。

●北海道新幹線工事の進捗状況
 2015年の暫定開業(新青森~函館間)を目指し、トンネル内では新幹線規格の幅で
 線路を敷設する「3線軌道」の工事が進められています。開通後は「E5系」車両が
 投入され、昼間の在来線特急は函館駅始発に変更となり、寝台特急列車は
 「北斗星」の存続が微妙です。また、海底駅の探検ツアーも終了となる予定です。

*煙・熱感知器も坑道の排水設備も耐用年数を迎えていますが、予算の関係で
  新幹線開通までメンテナンスを続けて持たせるのだそうです。


本トンネルの他にこんなにたくさんのトンネルが掘られています。
JR北海道函館支社のHPでは、より詳細なデータが掲載されています。
http://jr.hakodate.jp/train/tunnel/tunnel_omosiro.htm

さて次回は、「新幹線総合軌道試験車」東西対決!をお届けします。お楽しみに!! 

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