「週刊テツタビ百科」第48号

小坂真智子

2010年03月20日 19:39

スナフキン藤田です。
いつも「すまいるトレイン777」にご乗車ありがとうございます。
今日はこの放送を聴いて初めて一人旅をしたという、大学を卒業したばかりの女性から
メッセージをいただきました。「津軽鉄道のストーブ列車と五能線に乗ってきました」という
番組で取り上げた路線に乗って下さって、本当にうれしく思いました。
さて、それでは再放送です。

第48号 (2010.03.20 ON AIR)
~列車の名脇役・網棚の話~

それほど目立つ存在ではありませんが、吊り革や手すり同様車内では欠かせない
設備の「網棚」。その形や材質は以外にバラエティー豊かです。

●網棚のルーツ
網棚は、車内で乗客が荷物を置くために天井部分に取り付けられている荷物棚のことです。
古くは棚の外枠が木製、ネット部分は糸を編んだ網で出来ていたことから、「網棚」と
呼ばれるようになりました。

●材質
 ・外枠:太い金属のパイプ(手すり同様非常に丈夫なもの)
 ・網 :金網型(アルミ&ステンレス)
    :パイプ型-パイプとパイプの間隔が開くために薄い物や小物には不向き。
    :板型(プラスチック&ステンレス)-網やパイプの隙間から荷物が落下する
     心配がありません。また、半透明になっていたりドット状に穴が開けられ、
     座っていても自分の荷物を確認出来るものもあります。

●網棚の意外なメリット
 ・後方には壁面に沿って様々な広告が張られています。窓側を向いて立っていたり、
  荷物を上げ下ろしする時など何度も目にする部分なので、宣伝効果が大きいのだとか。
 ・丈夫な構造ゆえ、立っている乗客の体を支える役割をします。
  枠部分は高さといい太さといい、掴まるのにとても都合の良い構造物です。

●網棚のデメリット
 ・上げ下ろしの動作が大きく、混雑する車内では顰蹙を買いかねない。
 ・手許に荷物の無い状態が続くため、うっかり忘れやすい。
 ・年配の方、身長の低い方には使い勝手が悪い。

*札幌市営地下鉄は「営業距離が短い」という理由から網棚が設置されていません。

●網棚に纏わる思い出
 九州・西鉄の特急に乗車していた時、「まもなく終着駅です。みなさま、
 今一度天井をご覧下さい。大切なお荷物が置いてきぼりにされることを
 心配しています。目的地へは、ぜひパートナーとごいっしょにお出掛け下さい」という
 粋な車掌のアナウンスを聞いたことがあります。



ほんの一部ですが、実に様々な網棚があるものです。
さて次回は、「走るレストラン」食堂車の特集です。お楽しみに!!

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