「週刊テツタビ百科」第49号

小坂真智子

2010年03月28日 08:07

スナフキン藤田です。
いつも「すまいるトレイン777」にご乗車ありがとうございます。
今週は食堂車の特集です。
放送中「トワイライトエクスプレス」で食べた料理を思い出して、
お腹の虫が鳴きまくりでした。電波に乗ってしまったんじゃないかと心配しています(笑)。

第49号 (2010.03.27 ON AIR)
~「走るレストラン」 食堂車の話~

かつてはほとんどの特急列車、長距離列車などに連結されていた「食堂車」。
現在では風前の灯となってしまった数少ない「走るレストラン」を紹介します。

●食堂車の栄華と衰退
 昭和50年代前半まで食堂車の存在は羨望の的で、駅弁が定番だった当時は食堂車で
 ハンバーグやカレーライスを食べるのがひとつの夢でした。運営する企業も
 「日本食堂(現・日本レストランエンタプライズ)」をはじめ、9社がこの黄金期を
 支えていました。しかしながら、分割民営化後はダイヤの見直しや車両の整理、
 はたまたコンビニ弁当の登場などから客足が激減し、現在では寝台特急3本のみの
 営業となっています。

●寝台特急「北斗星」-「グランシャリオ」
 【定期列車で唯一食堂車を営業しています】
 ・下り1回上り2回のディナータイム(予約制-出発~21:00)では、フランス料理の
  フルコース、または和食の懐石御膳を楽しむことが出来ます(7,800円 5,500円)。
 ・ディナータイム終了後のパブタイム(21:30~23:00)は予約なしで誰もが利用する
  ことが出来、ハンバーグやビーフシチューという本格的な料理やおつまみ、
  アルコールやソフトドリンクを用意しています。
 ・翌朝の「モーニングタイム」も予約なしで利用出来、和定食、洋定食が用意されます。
 
●寝台特急「トワイライトエクスプレス」-「ダイナープレヤデス」
 ・12:00発の下り列車のみ朝、昼、晩の3食を楽しめます。
 ・「ランチタイム」では、定番のカレーライスやサンドイッチ等を予約なしで提供。
 ・2回行われる「ディナータイム」(要予約)では、一流シェフによるフランス料理の
  フルコース(12,000円)が用意され、メニューは春夏秋冬で年4回変わります。
 ・パブタイムは「グランシャリオ」と同様のサービスを提供します。
 ・「モーニングタイム」は、和・洋の朝食を提供しています。30分刻みの定員制で、
  希望者は乗車後に車内で和・洋のいずれかと利用時間を予約する必要があります。

●寝台特急「カシオペア」-「ダイニングカー」
 ・「北斗星」の営業形態に準じます。
 ・食堂車は2階建てになっていて、食事をするスペースと通路が分離されています。

●厨房での闘い
 ・火災防止のため、強力な電磁式クッキングヒーターを使用します。シェフは「狭さ」
  「揺れ」「暑さ」と闘いながら料理をします。
 ・食材は下ごしらえをしたものを1個或いは1種類ずつパックし、厨房では加熱する
  だけの状態で積み込みをします。→ 味の質を落とさない工夫がされています。
 ・コック2名、ホール4名。仮眠は3時間ほど。同じ列車での折り返しで1仕業となります。

 
(上)第1号となった山陽鉄道の食堂車-明治32年
(下)北斗星「グランシャリオ」 赤い傘のスタンドが印象的
(写真は Wikipedia より引用)

さて、次回はいよいよ最終回となります。内容は・・・当日までお楽しみに!!

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